木に実るダウン。“カポック”が紡ぐ優しいアパレルブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」

皆様、こんにちは。
朝晩の空気に、少しずつ秋の気配を感じ始める今日この頃。そろそろ暖かい衣服が欲しくなってくる時期かと思います。しかし、現代のアパレルが世界第2位の汚染産業であることを考えると、新しい衣服の購入は悩ましいもの…特に、水鳥から毟り取った羽毛がたくさん使われたダウンジャケットやアウターは、動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点からも買い控えたい…でも寒いのは困る!
そこで今回は、木の実から生まれた新素材“カポック”を使った革新的なアパレルブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」についてお話ししたいと思います。地球を汚さずとも、動物を傷つけずとも、私たちは“心地よい暖かさを着る”ことができる。この記事を通して、そのようなエシカルな選択肢があることを知って頂けたら嬉しいです。

2020年創業のベンチャー企業「KAPOK JAPAN株式会社」さんが展開・運営しているアパレルブランドです。高機能だけど加工が難しい植物性繊維”カポック”と独自の特許技術を組み合わせることで、“コットンの約1/8の軽さ“と“羽毛に匹敵する保温性”を両立し、秋冬のアウターでも重たくない快適な着心地を実現しています。
また、“Farm to Fashion —農園からこころよい暮らしを”というフェアトレード精神のもと、生産者や労働者、消費者、地球環境など、アパレル業界で軽視されがちなサプライチェーン全体の透明化と適正化にも力を注いでいます。
=ミッション=
世界中にサステナブルで機能的な素材を届ける

2023年には経済産業省の育成支援プログラム「J-Startup」に選出され、2025年には「DELL STARTUP CHALLENGE 」で準優勝を果たすなど、じわりじわりと社会からの注目を集めています。

2. アパレルに革命を起こす木の実”カポック”
2-1. アパレル産業が抱える負のスパイラル
現代のアパレル産業は、大量生産・大量消費・大量廃棄が前提となっており、石油産業に次ぐ世界第2位の汚染産業になっています。服を一着つくるだけでも大量の資源を必要とする上に、その過程で様々な環境負荷が生じるためです。例えば、ポリエステルなどの化学繊維の生成には多くの石油が使われます。コットンなどの植物素材でさえ、その栽培に大量の水と農薬、化学肥料が使用されます。そして、鮮やかな色を生み出す染料は水質汚染を、素材・商品の流通時に排出されるCO2は地球温暖化を加速させています。一方で、ごみに出される衣服のリサイクル率はごくわずかであり、95%は埋め立て地に送られるか、焼却処分されています。当然、これらの廃棄に掛かるコストや環境負荷も無視できません。

出典:環境省「サステナブルファッション ―これからのファッションを持続可能に」
特に、ファストファッションが登場して以降、「より安くより多く」という風潮が強まり、過去30年間で衣服の生産量は2倍近くまで増加しました。アパレル産業は、世界人口の増加に伴って成長するため、これからも地球環境を汚し続けることが懸念されています。

2-2. 優しい循環を生む木の実“カポック”

“カポック”とは、東南アジアや中南米などの熱帯地域に自生する植物から採れるフワフワした植物性繊維のこと。カポックの木は暑さに強く、少ない水で育ち、化学肥料や強い農薬も必要としません。また、繊維自体は“木の実”から採れるため、収穫時に木を伐採する必要もなく、CO2削減効果が高い。その上、“コットンの約1/8という軽さ“と”羽毛に匹敵する保温性“を兼ね備える、まさに夢のような素材です。
実際、昔はライフジャケットやクッションの詰め物などに利用されていました。しかし、繊維としての加工が非常に難しいため、アパレルの世界では長らく“扱いづらい素材”として敬遠されてきました。

このカポックの潜在的な魅力を開花させたのが「KAPOK KNOT」なんだ。
3.「KAPOK KNOT」の3つの魅力!

ただ軽くて暖かいだけの服ではありません。ブランド名にある「KNOT」は、「結び目」を意味する言葉であり、「人と自然、生産地と消費地、過去と未来を結ぶ」という願いが込められています。それを叶えるために、着る人、つくる人、地球、その全てを包み込む優しさを実現しています。
参考:KAPOK JAPAN株式会社|「サステナビリティ」アニュアルレポート2022
Point1:個人の幸せを形づくる

KAPOK KNOTの衣服は、機能・デザイン・サステナビリティの3拍子が揃っており、いずれかを犠牲にすることなく、ファッションを楽めます。カポック特有の“コットンの約1/8の軽さ“と“羽毛に匹敵する保温性”を持つ衣服は、驚くほど軽くて暖かい。寒い季節に着るだけで、心地よい暖かさに包まれます。また、カポック自体の環境親和性に加え、防寒素材として一般的な羽毛を必要としないアニマルフリーなのも嬉しいポイントです。

利用者からは、「重ね着をしなくても十分あたたかい」「部屋着としても快適」「軽くて荷物にならない」などのポジティブな声が寄せられています。
Point2:人の心が通ったサプライチェーン
ブランドを運営するKAPOK JAPANさんは、アパレル業界で軽視されがちなサプライチェーン全体の透明化と適正化に力を注いでおり、カポックの原料栽培から販売に至るまで、関わる全ての人たちが豊かになるための独自設計を行っています。カポックの原産国インドネシアでは、持続可能な収穫と活用を通して現地の雇用を維持・創出し、日本国内では、青森の縫製工場と連携したり、福祉団体や環境団体と協働するなど、ただの服づくりに留まらない社会的な活動も行っています。

カポックは余すことなく利用できる素材。綿を取り除いた後、“殻”は燃料として、タンパク質が豊富な“種”は動物の餌やシードオイルとして活用できるんだ。

その詳細は、サステナビリティレポートでご覧いただけます。
Point3:持続性のあるモノづくりと消費
KAPOK KNOTの全てのアイテムは、素材・製造・消費者の3点における「カーボンフットプリント」が算出されており、その具体的な数値をタグや商品ページに掲載しています。また、アニマルフリー表示や、リサイクル素材の使用率なども確認することができるため、購入希望者は、気になった商品が「どこで、どうやってつくられたのか」を見える形で知ることができます。

作り手の顔まで見える透明性やサステナビリティへの本気度が、多くの人たちを惹きつけているんだ。
4. 結び
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
環境、動物、社会立場の弱い人たち、未来の子どもたち―現代のアパレル産業は、誰かに過度な負担を押しつけることで成り立ってきました。しかし、誰かを傷つけることなく、着る人に我慢を強いることもなく、ファッションを楽しむことはできます。KAPOK KNOTは、そんなエシカルな服選びができることを私たちに教えてくれているように感じます。木の実から生まれたその服の中に、削られた資源や犠牲になった動物はいません。軽くて暖かいその服は、カポックだけでなく、たくさんの作り手の想いが一緒に編み込まれています。そしてきっと、その服を選んだ人の優しさも一緒に紡がれていく。
社会が、消費する時代から“選択する時代“へと移り変わろうとしている今、皆様はどんな服を着たいですか?どういう生き方を選びますか?次の衣替えの際、そのことを思い出してほしい。その上で、KAPOK KNOTが、皆様の“エシカルな選択肢”の1つになることを願っています。
自分に優しく、人に優しく。自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。
