子どもの急な発熱、でも仕事は休めない…「ノーベル」の病児保育は、そんな働く親御さんに安心を届けてます。
皆様、こんにちは。
厚生労働省の労働力調査特別調査(2022年)によると、日本の共働き世帯は全体の約7割を占める1,247万世帯にまで増加しました。それに伴い、今では、男性の育休取得も増え、育休後の復職も当たり前に認められるようになりました。しかし、残念ながら、「家事と子育ては母親が担うもの」という社会の見方は、そこまで大きく変わっていません。仕事をしながら、子どもの迎えに走り、息つく間もなく台所に立つのは、たいてい母親です。共働きが増えたというよりは、働く母親が増えただけ、といった方が正しいのかもしれません。中でも、「子どもが病気になったときに預ける先がない」というのが、働く母親の大きな課題になっています。
そこで今回は、母親が一人で抱え込みがちな現代の子育てを「社会全体で担うもの」に変えるために、大阪を中心に病児保育サービスを提供している認定NPO法人「ノーベル」さんについてお話ししたいと思います。この記事を読んでくださった皆様が、現代の子育てについて課題意識を持ち、その環境改善のために少しでも関心を持って頂けたら嬉しいです。
2009年11月の設立から15年間、大阪を中心に訪問型「病児保育」サービスを提供している認定NPO法人です。当日朝8時までの予約には100%対応し、保育スタッフさんが自宅に伺い、病気のお子さんをお預かりする。このサービスを通して、働く親御さんの仕事と子育ての両立をサポートしています。また、2013年からはひとり親家庭向けに特別安価な病児保育を、2024年からは各家庭のニーズに応じた「子育て家族のまるごとサポート」をスタートしました。
=ビジョン=
子どもを産んでも当たり前に働ける社会
=ミッション=
たすけあえる仕掛けをつくる
利用者さんからは「ノーベルさんが来てくれるから、安心して仕事に行ける」「子どもがいつ熱を出しても、心にゆとりが持てる」という声もあり、気持ちの面でも大きな支えになっています。
2. 日本の子育て課題と、病児保育
2-1. そう甘くない仕事と育児の両立
日本で共働き世帯が増える一方、子どもが生まれたら、女性の約50%が仕事を辞めるという事実があります。仕事を嫌で辞めているわけではありません。日本にはまだ「家事と子育ては母親が担うもの」という社会の見方があり、その母親負担が、働きたくても働きにくい状況を作り出しているのです。中でも「子どもが病気になったときに預ける先がない」ということが大きな課題となっています。
他方で、日本では「ひとり親世帯」も増えています。ひとり親は、ただでさえ大変な子育てを一人で行うため、必然的に働き方が制限されます。実際、その5割が収入の安定しない「非正規雇用」であり、生活が困窮しやすい傾向にあります。子どもが病気になったときにフォローしてくれる家族がいなければ、仕事を休まなくてはなりません。しかし、子どもの看病のために仕事を休むと、その分だけ収入が減り、生活が苦しくなります。休みが続けば、仕事を失うリスクさえあります。
参考:厚生労働省こども家庭庁「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」
2-2. 保育における「37.5度の壁」
働く親御さんにとって悩みの種は、子どもが風邪を引いたり、熱を出したときの対応です。通常の保育園では、子どもの体温が37.5度以上になると預かってもらえません。預かっている途中で子どもの体温が上がった場合でも、保育園から「お迎えコール」が掛かります。しかし、急なお迎えには、その後の仕事を調整したり、同僚にヘルプを頼んだりと、その対応はとても大変です。誰も悪くないはずなのに、職場に迷惑をかける「申し訳なさ」を感じ、自分を責めてしまうことさえあります。そして、成長過程にある子どもの体調は不安定です。このような対応を繰り返しいるうちに職場に居づらくなり、やむを得ず仕事を辞めてしまう女性がとても多いのです。
参考:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
2-3. 働く親御さんを支える「病児保育」
病気の子どもを置いて仕事に行けない…でも、仕事は急に休めないし、働かないと生活が苦しくなる…この身動きの取れない状況に渡りに船となっているのが「病児保育」です。共働き世帯やひとり親世帯が増加し、仕事と育児の両立が求められる現代日本において、この病児保育の重要性が年々高まっています。
3.「ノーベル」の取り組み
病児保育への圧倒的なニーズに対し、ノーベルさんは、大阪を中心とする訪問型「病児保育」サービスを提供しています。また、働く親御さんの仕事と子育ての両立をサポートする新たな事業も展開しています。設立以来、常に総合満足度95%以上を維持しており、利用者数やお預かり件数は年々増加しています。
➀ 訪問型病児保育サービス
子どもの急な発熱、でも仕事は休めない…そんな「困った」に直面しているご家庭に、豊富な研修を受けた保育スタッフが駆けつけ、自宅でお子さんを預かり、1対1で丁寧にお世話しています。ノーベルさんは、当日朝8時までの予約には100%対応しており、いざという時に頼れる安心を提供しています。
困ったときの頼り先が1つ増えるだけで、日々の生活に安心感や余裕が生まれます。「ひとりじゃない」と思えることは、とても大きな励みになるのです。
仕事と子育ての両立は共働き世帯であっても多くの困難を伴います。ひとり親家庭ならば尚更です。そんなひとり親世帯のために、ノーベルさんでは、病児保育を低価格で利用できるひとり親パックを用意しています。世帯年収300 万円以下のひとり親家庭を対象に、通常月10,000円かかる病児保育を、なんと月1,000円で提供しています。ひとり親の安定的な就労と経済的自立、それにより「貧困の連鎖」を断ち切り、安心して暮らせるようサポートしています。
障がいを持つ子どもの母親の9割は働くことを断念しています。預け先を探そうにも、「預かれません」と断られることの連続です。ノーベルさんは、障がいの有無に関係なく、必要とする誰もが病児保育を利用できるセーフティーネットを目指し、出来る限りの受入れ体制を整えています。入会前後の定期面談や2名体制での保育、スタッフの研修など、障がいの有無に関わらず、一般料金で利用できるスペシャルニーズサポートも行っています。
これらの特別サービスは、ノーベルさんを応援してくださっている皆様からのご寄付(ドノ親子ニモ応援団プロジェクト)によって成り立っています。
② 子育て家族のまるごとサポート
ノーベルさんでは、育児・家事をスムーズにする家庭内の仕組みづくりや外部サービスとのコーディネートなど、生活まわりをケアするスタッフさんが各家庭のニーズに応じたサポートも提供しています。単に、家事代行やシッターなどの第三者サービスを提供するだけでなく、お話を聞きながら、子育ての困りごとを探り、その解決策を一緒になって考えるお手伝いをされています。
4. 結び
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
日本の少子化は深刻化しており、子どもの出生数は毎年過去最少を更新し続けています。それは、今の日本が、子どもを産み育てていくことが難しい社会であることを意味しています。子どもを育てていくためには、お父さんもお母さんも懸命に働かなくてはなりません。でも、子どもを育てながら働くことは本当に大変です。未来ある子どもの子育てを親御さんだけに抱え込ませる社会にはもう限界が来ています。親御さんだけでなく、周りの家族も、職場の仲間も、地域や行政も、みんなで助け合って「社会全体で子育てをする」必要があるのです。
子育てで困ったことが起きても、周りに助けてくれる人たちがいる、支えてくれる仕組みがある。だから、子どもを産んでも当たり前に働ける。だから、安心して子どもを育てていける。NPO法人「ノーベル」さんが病児保育を通して目指しているのは、そんな優しい社会です。その取り組みに皆様の心が少しでも動いたなら、是非一度、ノーベルさんへのご支援を検討してみてください。
自分に優しく、人に優しく。自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。