人と社会

書ける住所がある。それだけで親子の人生は変わる。住まいに困るシングルマザーを支える「LivEQuality HUB」

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市役所での申請
企業との契約
銀行口座の開設
子どもの入園・入学続き
荷物の発送や受取りに至るまで

私たちは日常のさまざまな場面で「住所」を書いています。あまりに多く求められるので、煩わしさを感じるときもあるでしょう。でも、ある日突然、その住所を書けなくなったら…私たちの暮らしはどうなるのでしょうか?

実は、シングルマザーさんの中には、「書ける住所がない」という深刻な住まいの問題を抱えている方が少なくありません。住まいは暮らしを支える大切な基盤です。その住所を失うことは、社会とのつながりを失ってしまうといっても過言ではありません。

そこで今回は、名古屋市を中心に、住まいに困難を抱えるシングルマザー世帯へ、安心できる住まいと地域とのつながりを届けているNPO法人「LivEQuality HUB(リブクオリティ・ハブ)」さんについて、お話ししたいと思います。この記事を通して、住まいが暮らしに与える影響を知り、その支援のために「自分に何ができるか」を少しだけ考えて頂けたら嬉しいです。

愛知県名古屋市を拠点に、住まいを失ってしまった女性や、住まい探しに困難を抱えるシングルマザー世帯へ安心できる住まい」と「地域とのつながり」を届けている認定NPO法人です。

行政や地域団体、医師・弁護士などの専門家、企業、個人と連携しながら、利用者さん一人ひとりが自立した生活を送れるよう、長期的な伴走型支援を行っています。
また、設立当初から会計基準に基づいた管理体制を整備。NPOと株式会社の共創体制で運営することで、扱いが難しいとされる「不動産」を軸にした取り組みを可能にしています。2023年には認定NPO法人となり、その公益性と信頼性が認められています。

参考:認定NPO法人LivEQuality HUB「ホームページ」

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

Forbes誌「今注目のNPO 50」「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」で紹介されるなど、社会的な注目と期待が寄せられています。

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2. シングルマザーの抱える住まいの問題

2-1. ひとり親家庭の経済状況

日本のひとり親家庭の約9割は、シングルマザー世帯(母子世帯)です。
厚生労働省の調査によると、シングルマザー世帯の就業率は約86%と高いものの、平均年収は約270万円台と全世帯平均を大きく下回っています。さらに近年は、物価高や都市部の家賃上昇も重なり、家計への負担は一層大きくなっています。子どもを養いながら安定した暮らしを送るのは容易ではありません。

食費を切り詰めたり、家賃を抑えるために、老朽化した住宅や利便性の低い住環境を選ばざるを得なかったりする家庭も少なくありません。

梅うさぎ
梅うさぎ

働いているのに生活が苦しい…そんな辛い現実が、今の日本には数多く存在しているんだ。

参考:厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」

2-2.「書ける住所がない」

厳しい経済状況に加えて、多くのシングルマザーさんが直面しているのが、「住まいを借りたくても、借りられない」という問題です。

一般的な賃貸契約では、保証人や一定の収入、入居審査などの条件が求められます。けれど、DVや虐待から避難してきた方、失業中の方、外国にルーツを持つ方などは、こうした条件を満たせず、住まいを確保できないケースが少なくありません。近年は家賃保証会社の利用も一般的になっていますが、それでも、審査や保証料が大きな壁となることがあります。

梅うさぎ
梅うさぎ

「家賃を滞納するかもしれない」「子どもの生活音で近隣トラブルになるかもしれない」—そんな偏見から、入居を断られてしまうケースもあるんだ。

公営住宅などの行政支援もありますが、応募倍率が高く、入居まで時間がかかることがほとんどです。また、老朽化や立地の問題から、仕事や子育てとの両立が難しい場合もあります。
特に外国にルーツを持つシングルマザーさんは、言葉の壁や文化の違いなども重なり、住まい探しのハードルはさらに高くなっています。

2-3. 住所がないから、暮らしが揺らぐ

住所は、行政手続きや就職活動、銀行口座の開設、子どもの入園・入学など、暮らしのあらゆる場面で必要になります。そのため、住まいを失うことは、「住む場所がない」だけにとどまらず、生活そのものが立ち行かなくなってしまう危険があります。

例えば、書ける住所がないと…
 行政手続きが進まず、必要な福祉サービスを受けられない場合があります。
 子どもを保育所に預けることができず、仕事を探す時間も働く時間も作れません。
 履歴書に住所を書けないために、安定した仕事に就くこともままなりません。

このように、「書ける住所がない」という一つの問題が、暮らし全体を揺るがしてしまうのです。

3.「LivEQuality HUB」の取り組み

住まいの問題を解決するためには、住居を提供するだけでは不十分です。
困っている家庭へ支援の情報を届けること、安心できる住まいを確保すること、行政や地域のセーフティネットにつなぐこと、そして、自立できるまで継続して寄り添うこと。これらすべてを包括した伴走支援が、「LivEQuality HUB」さんの特長です。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

伴走支援を受けた母子世帯の約9割が、半年以内に保育園と就業先を見つけ、新しい生活をスタートしています。(2025年3月時点)

参考:認定NPO法人LivEQuality HUB「アニュアルレポート2024」

➀「安心できる住まい」を届ける

住まいを失ってしまった女性や、保証人・収入・家庭環境などの事情から賃貸契約が難しいシングルマザーさんの相談を受け、それぞれの状況に応じた物件を紹介しています。
紹介される物件はいずれも、「安心して暮らせること」と「新しい生活を始めやすいこと」を重視して選ばれています。

母子世帯向けには、一般的な家賃よりも利用しやすい「シングルマザー応援価格」が設けられており、無理なく暮らしを立て直せるよう配慮されています。また、立地についても最寄り駅の徒歩圏内にあり、名古屋中心部へのアクセスも良く、就職先を探しやすい場所にあります。病院や保育園、スーパーなども近く、子育てと仕事を両立しやすい環境が整っています。

さらに、DV被害から避難してきた方も安心して暮らせるよう、プライバシーや安全性にも十分配慮されています。浴室・トイレ・キッチンを備えた個別の住居で、オートロックやモニター付きインターホンを備えた物件もあります。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

完全無料ではなく、シングルマザーさんにも無理のない範囲で家賃を負担してもらう仕組みが味噌です。

梅うさぎ
梅うさぎ

支えられながらも、「自分の力で生活を築いている」。この実感が、自立への大きな活力になっているんだ。

②「地域のつながり」を届ける

LivEQuality HUBさんの支援は、住まいの紹介だけに留まりません。

シングルマザーさんの多くは、「子どものために、自分が頑張らなきゃ」と、全てをひとりで抱え込んでしまう傾向にあります。
そのため、入居者さんたちが孤立しないように、定期的な面談や見守りを続け、一人ひとりの状況に合わせて伴走支援を行っています。支援を続ける中で、就労や教育、医療、子育てなど、それぞれの家庭の課題を一緒に整理し、行政や専門機関、地域団体などへつないでいきます。また、給付金の申請や保育園の入園手続きなどもサポートし、安定した生活を整えられるようお手伝いしています。

さらに、お子さんたちに対しても、「バディプログラム」を実施。家族でも先生でもない、「地域の信頼できる大人」と出会う機会をつくっています。こうした”ナナメのつながり“は、子どもたちにとっての新しい居場所にもなっています。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

外国籍の入居者も多く、この伴走支援は人と人とのつながりを築く上で、とても大きな助けになっています。

梅うさぎ
梅うさぎ

弁護士さんや支援団体さんとも提携しているから、離婚や引越しに関する手続きもお手伝いしているよ。

4. 結び

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

子ども1人を育てるには1つの村がいる —アフリカには、そんなことわざがあります。
子育ては、本来、それだけ多くの人の支えがあって成り立つものです。けれど、多くのシングルマザーさんは、頼れる人も、お金も、心の余裕もない中、たった1人で日々懸命に頑張っています。彼女たちが抱えている困難は、個人の努力だけで解決できるものではありません。社会全体で支えていくべきことです。
だからこそ、LivEQuality HUBさんは、住まいだけでなく、孤立しがちな親子へ寄り添い、新しい一歩を踏み出すための「居場所」と「つながり」を届けています。ホッと一息ついて、また頑張ろうと思えるように。
人は、安心して帰れる場所があってはじめて、未来を思い描くことができます。家族と一緒に温かい食卓を囲み、「いってきます」と笑顔で出かけ、「ただいま」と言える家がある —そんな当たり前を、一組でも多くの親子へ届けるために、皆様の関心をほんの少しだけ寄せてもらえたら嬉しく思います。

自分に優しく、人に優しく。
自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。
それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

ABOUT ME
おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵
エンジニア / 副業ブロガー
ご覧くださり、ありがとうございます。 1988年九州生まれのエンジニアです。 現在は大阪在住。半導体業界で働かせて頂いております。バリバリの理系ですが、少しだけ経営学も嗜んでおります。 健康や心の平穏に重きを置いており、身の丈に合った慎ましいミニマル生活を心掛けております。また、和のテイストが大好きです。
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