「ふるさと納税」の本来の意義に立ち返えろう！自らの意思で、社会貢献のために活用しよう！

　皆さん、こんにちは。

　年末は「ふるさと納税」のシーズンです。年末調整後の源泉徴収票から、その年の給与収入額が確定すると同時に、ふるさと納税の控除上限額が正確に分かるタイミングだからです。12月31日という厳密な締切を前に、駆け込み利用が多くなるのは必然ですね。しかし、魅力的な返礼品も多い中、どこに寄付すべきか迷われている方も多いはず。そこで今回は、ふるさと納税の基本をおさらいしつつ、選択肢の1つとして、この制度を活用した社会貢献の方法についてお話ししたいと思います。この記事を読んでくださった皆様が、ふるさと納税に込められた「応援したい」という想いを持って、この制度を賢く利用してくださることを願っています。

　ふるさと納税は、地方自治体の財源確保とそれを原資にした地域活性化を目的に、2008年から導入された日本の税制優遇制度です。いま住んでいる地域に関係なく、生まれ育った故郷やゆかりのある地域に納税することができます。納税という名前がつけられていますが、実際には寄付になります。そのため、私たち納税者（寄付者）は、翌年の確定申告時に、寄付額に応じた所得税・住民税の控除（減額）を受けることができます。それに加えて、返礼品として自治体から特産品を受け取れる場合もあり、たいへん人気の制度となっています。

また、最近では、災害に遭われた地域の復興支援のために、その活動資金を提供するクラウドファンディング型プロジェクトもあり、社会貢献の1つとして、ふるさと納税が活用されるケースも増えています。

おとぼけ地蔵

納税は国民の義務ですが、ふるさと納税を利用すれば、納税先とそのお金の使い道を自らの意思で選ぶことができます。

参考：総務省「ふるさと納税制度について」

　ふるさと納税で寄付した金額から「自己負担額2,000円を除いた分」が、所得税や住民税から控除されます。例えば、3万円を寄付した場合、自己負担額2,000円を差し引いた28,000円（=納税額30,000円 – 自己負担額2,000円）が控除の対象となります。

もちろん、控除額には上限があります。ご自身の世帯年収や家族構成によって変わってきますが、年収400万円の独身世帯（扶養家族なし）の場合、その上限額は約41,000円となります。上限を超えた分は控除対象にならないため、注意する必要があります。

梅うさぎ

控除の上限額は、各ふるさと納税ポータルサイトで簡単に見積もることができるから、試してみてね。

おとぼけ地蔵

確定申告の際には、自治体から届く「寄付金受領証明書」が必要になりますので、無くさないように大事に保管しておいてください。

　総務省の報告によると、2023年度のふるさと納税者は1,000万人を超え、その納税額（寄付額）は約1兆1,175億円、受入件数は約5,894万件と過去最高を記録しました。しかし、世帯年収300万円以上の生活者約5万3千人を対象にした調査では、ふるさと納税の利用率は33.8%にとどまっていました。他の税制優遇制度（NISAなど）と比較すれば高い水準にありますが、まだまだ多くの人たちがふるさと納税を利用していないことが現状です。ふるさと納税は、誰もが簡単に利用でき、かつメリットが大きい制度です。近年の物価高や円安などの影響で生活苦を感じている世帯がこの制度を利用していないのは勿体ない状況です。

出典：総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果 （令和６年度実施）」

梅うさぎ

ワンストップ特例制度もあって、給与所得者などで確定申告に不慣れな方にとって利用しやくなってるよ。

　近年は、魅力的な返礼品が増えていますが、ふるさと納税は、もともと「寄付先の地方自治体や団体を応援したい」という想いから始まった制度です。ふるさと納税を活用して被災地の支援ができることを知り、はじめて制度を利用したという方も少なくありません。そこで、ここでは「返礼品ではなく、純粋に社会貢献をしたい」という想いを持つ皆様に向けて、ふるさと納税で寄付できるNPO法人を紹介したいと思います。

　2004年の設立以来、「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に、国や地域、人種、政治、宗教、境遇を問わず、誰もが“生まれてきて良かった”と思える社会のために活動されているNPO法人です。目の前で苦しんでいる1人と向き合う「心を救う医療」も大切にされており、小児がんの子どもと家族の外出支援も行っています。

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　お寺に届けられる様々なお供え物を、仏様からの「おさがり」として頂戴し、支援団体さんの協力のもと、困りごとを抱えるひとり親のご家庭に「おすそわけ」しているNPO法人です。賛同して頂ける全国のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援している各地域の団体さんとを繋げ、お菓子や果物、食品、日用品を届けています。

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たよってうれしい、たよられてうれしい。「おてらおやつクラブ」は、他者への思いやりを実践し、貧困の解決を目指しています。

　「地雷」「小型武器」「子ども兵」「平和教育」の4つの課題に対して、世界9ヶ国で活動されているNPO法人です。アフリカ、アジア、東ヨーロッパでは現場での支援活動を、日本国内では啓発・政策提言および人材育成に取り組まれており、2001年の設立から20年間以上に渡り、平和のための歩みを続けられています。

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　国際組織グッドネーバーズ・インターナショナルの一員として、国内外を問わず、支援を必要とする子どもたちを守る活動をしている認定NPO法人です。日本国内では、「グッドごはん」事業を中心に、ひとり親世帯を対象とした支援を行なっています。

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　ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

　2024年12月、コンビニチェーンのローソンさん、ECサイトのAmazonさんが、ふるさと納税市場に参入することを正式に発表しました。また、LINEヤフーさんは、検索から寄付、控除申請までを包括的にカバーしたサービス（Yahoo!ふるさと納税）を新たにリリースしました。相次ぐ大手の介入により、今後、利用者の大幅な増加が期待されます。それはそれで良いことです。しかし、ふるさと納税の本来の意義を、そこ込められた「応援したい」という想いを忘れてはなりません。たとえ返礼品が目的であったとしても、寄付したお金の使い道を考えること、自らの意思で選ぶことが大切なのです。1人でも多くの人たちが、寄付先への想いを持ってふるさと納税を利用してくださることを、そして、それにより一層の社会貢献が進むことを願っています。

自分に優しく、人に優しく。自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

おとぼけ地蔵

エンジニア / 副業ブロガー

ご覧くださり、ありがとうございます。 1988年九州生まれのエンジニアです。 現在は大阪在住。半導体業界で働かせて頂いております。バリバリの理系ではありますが、少しだけ経営学も嗜んでおります。 健康や心の平穏に重きを置いており、身の丈に合った慎ましい生活を心掛けております。また、和のテイストが大好きです。