食と健康

食べないことで若返る!「食べない食事法」は、身体の内側から美しく健康になるための生き方です。

otobokezizou

 皆様、こんにちは。

 人生100年時代と言われて久しい今日この頃、私たちの健康への関心はますます高まっています。しかし、現代は飽食の時代…世界保健機関WHOの報告によれば、世界で 10 億人以上の人々が「肥満」であるとされています。驚くべきことに、これは「飢餓」で苦しむ8.3億人の人々よりも多い数です。特に先進国ではその傾向が強く、日本もまた例外ではありません。日本人の「肥満」割合は男性で33.0%、女性で22.3%となっており、ここ10年ほぼ横ばいで推移しています。「肥満」は、糖尿病や脂質異常症、高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病をはじめ、数多くの病気の原因となります。その日その時に食べたいものを自由に選んで食べられることは幸せなことですが、現代の飽食は私たちの食生活を乱し、不健康へと導いていると言えます。そこで、今回は、数多くの研究で科学的に証明され、様々な書籍や論文でも推奨されている「食べない食事法」についてお話ししたいと思います。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

私もこの食事法を実践しており、夕食のみの「一日一食」を基本としています。心身ともに健康になれるだけでなく、日中のパフォーマンスも上がるため、たいへんお勧めです。

 肥満人口の統計が示している通り、私たち現代人が常識と思い込んでいる一日三食は、食べすぎです。なぜなら、この食事法では、内臓を休ませることができないからです。食事は、食べ物が喉を通過したら終わりではありません。その後、私たちの体内では、各臓器が懸命に働き、「消化」「吸収」「排泄」という大事なプロセスが行われています。食べた物が、胃の中で消化されるまで3~5時間は掛かります。また、胃から送られてきた消化物が、小腸の中で分解・吸収されるまで5~8時間は掛かります。そして、大腸では、小腸で吸収されなかった水分やミネラルを15~20時間かけて吸収し、その残りが便となって排泄されます。

しかし、一日三食では、朝食から昼食までの間隔は4~5時間、昼食から夕食までは6~7時間ほどしかありません。これでは、前の食事で食べた物が残ったまま、次の食べ物が運ばれてきます。胃腸は常にフル稼働で働き続けなければなりません。もちろん、膵臓や肝臓、腎臓なども同様です。ブラック企業もビックリの労働環境…内臓が疲弊してしまうのも当然です

2.「食べない食事法」とは?

 「食べない食事法」とは、最後の食事から16時間以上の空腹期間を設ける、可能なら「一日一食」にする、というシンプルなもの。特別なドリンクやサプリメントもいりません。お金を掛けず、手軽に、誰もがすぐに実践できます。それでいて、メリットは絶大です!

メリット1. 身体の内側から美しく健康になれる

 「食べない食事法」は、単なるダイエットではありません。私たちの身体に生まれつき備わっている浄化機能を目覚めさせ、身体の内側から美しく健康になるための「生き方」なのです。

➀ 体内のデトックスが促進され、老廃物や毒が堆積しなくなる

 「食べない食事法」では、何より内臓を十分に休ませることができます。これにより、「消化」「吸収」「排泄」という一連のプロセスが正常に回るようになり、身体に堆積した老廃物や毒素がうまく排出されるようになります。体内のデトックスがしっかりと行われると、細胞の代謝サイクルは正常化し、栄養をより効率的に吸収できるようになります。また、腸内環境も整うため、病原菌や細菌から身を守る免疫機能もアップします。

②「長寿遺伝子」のスイッチが入る

 空腹により、細胞が飢餓状態に陥ると、普段眠っている「長寿遺伝子」のスイッチが入ります。この遺伝子には、細胞の老化の原因になる活性酸素を打ち消したり、DNAを修復したり、細胞をストレスから守ってくれる働きがあります。空腹には、それだけでアンチエイジング効果があり、健康寿命を延ばしてくれるのです。

丸めのおさる
丸めのおさる

2009年に報告されたウィスコンシン大学の20年にわたる研究では、ヒトに近い霊長類アカゲザルにて面白い有意差が認められました。好きなだけ食事を与えたサルに比べて、カロリー制限したサルでは、加齢に伴う病気や死亡率、脳萎縮が減少しただけでなく、毛並みや肌艶といった見た目も大きな差が見られました。

参考:Caloric restriction delays disease onset and mortality in rhesus monkeys

③「オートファジー」が活性化される

 「オートファジー」は、細胞内の古くなったタンパク質や、壊れてしまったタンパク質を分解し、新しく作り変える働きです。これを起動させる鍵もまた、空腹にあります。最後の食事から10時間ほど経過すると、肝臓や筋肉に蓄えられた糖がなくなり、体内の脂肪が燃やされるようになります。そして、食後12~16時間が経過する頃に、更なるエネルギー源を求めて「オートファジー」が活性化します。これが16時間以上の空腹期間を設けることが推奨されている理由です。私たちヒトが数日間、何も食べなくても生きていけるのは、この「細胞のリサイクルシステム」が備わっているからなのです。そして、「オートファジー」は、空腹によるデトックスやアンチエイジングをブーストし、より高い健康・美容効果をもたらしてくれます。

おとぼけ地蔵
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「オートファジー」は、その研究の第一人者である大隅栄誉教授が、2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞したことで広く知られるようになりました。

メリット2. 新たな時間を創出できる

 総務省の社会生活基本調査によると、私たちが一日の中で食事に充てている時間は約96分間。一日三食とした場合、一食あたり30分ほど掛けていることになります。食事の回数を減らせば、当然、その分の時間を自由に使うことができます。「一日三食」から「一日一食」にすれば、一日1時間を創出することができます。タイムパフォーマンスや時間価値が重視されている現代において、この1時間はとても大きいと言えます。

参考:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果」

丸めのおさる
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買い出しや調理、片づけに掛かる時間も無くなるので、実際には、1時間より多くの時間を創出できるね。

メリット3. パフォーマンスが向上し、仕事や勉強が捗る

 私たちは食事をすることで、生きるために必要なエネルギーを生み出しています。しかし、その過程である食べ物の「消化」にも非常多くのエネルギーが使われており、一日のエネルギー消費の約10%にも相当する負荷が掛かっています。食事をした後、眠くなったり、だるさを感じてしまうのは自然なことなのです。つまり、活動している日中は食べない方が、エネルギー効率が良いのです。

 そもそも、私たちヒトは、空腹時にこそ本来のパフォーマンスを発揮できるよう設計されています。私たちの祖先は、250万年もの間、原始的な狩猟生活を送ってきました。食糧調達が不安な環境において、飢餓状態でも活動できるように長い年月を掛けて身体を適応させてきました。その後、農耕により安定した食糧を得られるようになったのは約1万年前、日本で一日三食が普及したのは約300年前であり、人類の歴史から見れば、つい最近のことなのです。その短い間に食生活は大きく変わりました。しかし、私たちの身体は、狩猟生活をしていた頃のまま変わってはいません。そのギャップが、生活習慣病をはじめとする身体の不調となって現れているのです。「食べない食事法」は特別なものなどではなく、私たちの遺伝子に刻まれた最も適した食べ方なのです。

おとぼけ地蔵
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こればかりはやってみないと分からないのですが、「食べない食事法」を続けていると、空腹のときの方が身体が軽く、疲れにくく、脳も冴えわたるのを実感できます。

 また、「食べない食事法」により、脳の「決断疲れ」を和らげ、思考力・判断力を高めることもできます。ケンブリッジ大学バーバラ・サハキアン教授の研究によれば、ヒトは一日のうち最大3万5,000回の決断を行っているそうです。朝食は何を食べようか、どんな服を着ていこうか、今日は傘を持っていくべきかどうか、などなど。身体を動かし続ければ疲れるのと同様、脳も決断を重ねていくうちに疲れが溜まっていきます。朝に冴えわたっていた脳も、夜になればヘトヘトになってしまうのは、こういった「決断疲れ」があるからです。そして、食事に関する事柄だけでも、私たちは一日のうちに2,000~3,000回の決断をしています。しかし、はじめから「一日一食、それ以外は食べない」と決めてしまえば、食事に費やしていた決断力をセーブすることができます。その分だけ、仕事や勉強、やりたい事に注力することができます。特に、脳が最も高いパフォーマンスを発揮する午前中の思考力・判断力を高められるのはとても大きなことです。

おとぼけ地蔵
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アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏や元アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ氏が、いつも同じ服装をしていたのは有名な話です

丸めのおさる
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これも決断する回数を減らすためだったんだね。

メリット4. 食事に対して、深く感謝できるようになる

 空腹は、最高のスパイスになります。「一日一食」であれば、その一食を心から楽しむことができます。一日三食では感じることのなかった食事の喜び、美味しさ、有難みを実感することができます。「一日一食」の食事は、空腹だけでなく、心を満たすことができるのです。

=断食と宗教との関わり=

 イスラム教には「ラマダン」と呼ばれる30日の断食期間があります。ラマダン中は、日の出から日没まで、太陽が顔を出している間は、完全に飲食を断ちます。なんと水も飲まないとのこと。その目的は、「心身の浄化」にあります。お金持ちも貧乏な人も、等しく空腹や渇きの辛さを味わうことで、恵まれない人々への思いやりや慎み深さを育みます。そして、日が沈んだ後は、家族や知人、仲間たちと共に食事と団らんを通して、食への感謝と命の尊さを改めて学びます。イスラム教徒の人々は、このラマダンを通して、心と身体をリセットしているのです。こうして見ると、「食べない食事法」とも通ずるものがありますね。

3. 結び

 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

 誰もが、死ぬその瞬間まで健康に長生きしたいと願っています。しかし、健康はお医者様や医療によって与えられるものではありません。それ相応の生活習慣を身に付ける必要があります。食生活はその最たるものです。たくさん食べれば食べるほど、私たちは死に近づきます。一日三食きっちり食べることを当たり前に思わないでください。自分自身の食に対して、命に対して思考停止にならないでください。「食べない食事法」は、既に科学的に証明されています。空腹には、私たちの人生を変える力があります。週に1回だけでも、食事を1回減らすだけでも、その効果を実感することができるはずです。皆様が、人生を悔いなく謳歌できる「生き方」を自らの意思で選択できることを心から祈っています。

自分に優しく、人に優しく。自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

ABOUT ME
おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵
エンジニア / 副業ブロガー
ご覧くださり、ありがとうございます。 1988年九州生まれのエンジニアです。 現在は大阪在住。半導体業界で働かせて頂いております。バリバリの理系ではありますが、少しだけ経営学も嗜んでおります。 和のテイストが大好きです。また、健康や心の平穏に重きを置いており、身の丈に合った慎ましい生活を心掛けております。
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