人と社会

食品ロスを美味しく減らす。”もったいない”から生まれた三方良しのサービス「TABETE(タベテ)」

otobokezizou

 皆様、こんにちは。

 今日は、何を食べようか―私たちにとって「食」は日々の生きる糧であり、人生に彩りを与えてくれる大きな楽しみでもあります。飽食の現代、日本に住む私たちの身の回りには、多くの選択肢が溢れています。その一方で、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物もたくさんあります。例えば、(消費期限ではなく)賞味期限が切れたパンや、見た目が少し悪いだけの野菜、買い過ぎて余らせてしまった食品、などなど。こういった「食品ロス」の総量は、世界全体で年間10億トン以上にも昇っています。誰かに食べてもらうために手間と愛情を込めて作られた食べ物が、ただのゴミとして捨てられている…

そこで今回は、そんな”もったいない”を変えるために、捨てられるはずだった食べ物たちを救うシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」を紹介したいと思います。この記事を読んでくださった皆様が、すべての“食べて”を“食べ手“につなぐ素敵な取り組みを知り、いま一度、食のライフスタイルを見直してくださることを願っています。

 食品ロス削減を目的に、株式会社コークッキングさんが提供している国内最大級のフードシェアリングサービスです。加盟する飲食店さんがこれまで廃棄するしかなかった「まだ美味しく安全にいただける食品」をアプリに掲載・出品し、利用者さんがそれらをお得に購入できる仕組みです。また、このサービスで得られた売上の一部は、子ども食堂やNPO団体さんに寄付されます。

食べ物を無駄にすることなく、“お店よし、食べ手よし、社会よし“を実現する、まさに”三方良し“の取り組みです。

参考:株式会社コークッキング「ホームページ」

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

食品ロス削減への具体的な取り組みが評価され、第7回グッドライフアワード環境大臣賞-優秀賞を受賞されています。

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2. 飽食と飢餓が共存する歪な世界

2-1. 世界が抱える「食の不均衡」

 世界では、人類全体を養うのに十分な食糧が生産されているにも関わらず、今なお約7.83億人もの人たちが慢性的な飢餓に苦しんでいます。その一因となっているのが、消費国(主に先進国)における食糧の過剰供給と、それに伴う大量廃棄…いわゆる「食品ロス」です。国連環境計画(UNEP)が公表した食品廃棄指標レポート2024によると、世界では、毎日10億食以上もの食糧が食べられることなく廃棄されており、2022年の廃棄総量は約10億5,000万トンにも昇りました

2-2. ”もったいない”の国の矛盾

 現在の日本は、食糧の大半を海外からの輸入に頼っている一方、毎年たくさんの食べ物を棄てているという矛盾を抱えています。環境省の調査によると、令和4年度における日本の食品ロス発生量は約472万トン…これだけでも、世界の食料支援量370万トン/年間を上回ります。国民一人あたりに換算すると、毎日おにぎり1個分(約103g)を捨てていることになります。

食品ロスは”もったいない”だけでなく、その廃棄にも大きなコストが掛かっています。また、全体の8~10%に相当する温室効果ガスの発生にも起因しており、環境にも大きな負荷を与えています。そして、その半数は、家庭から発生しています。(消費期限でなく)賞味期限が切れたから捨てる、見た目が良くないから捨てる、買い過ぎて余らせてしまったから捨てる、皆様にも心当たりがあるはずです。食品ロスの削減のためには、私たち一人ひとりが日々の消費行動を、食のライフスタイルを見直さなければならないのです。

梅うさぎ
梅うさぎ

残されたパンやお惣菜がゴミになるのか、美味しいご飯になるのか。たった一つの選択で決まるんだ。

3.「TABETE」の3つの魅力!

 TABETEは、「食」を切り口に事業展開されている株式会社コークッキングさんが提供している日本発のフードシェアリングサービスです。登録店舗3,000店以上、ユーザー数120万人以上が参加している国内最大の食品ロス削減プラットフォームでもあります。TABETEを利用することで、お店側は食品の廃棄コストを抑えつつ売上を増やすことが、利用者さんは美味しい食べ物をお得に楽しみながら、無理なく食品ロス削減に貢献することができます。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

民間だけでなく、横浜市や大阪市、福岡市、那覇市などの地方自治体とも連携し、食品ロス削減に向けた取り組みを推進しています。

Point 1:お店よし

 飲食店で食品ロスを減らす一番簡単な方法は、店頭での値下げ販売です。ただそれだと、値下げ品を目当てにお客さんが集まってしまい、定価品は選ばれにくくなってしまいます。その結果、売上が下がってしまうのは、お店側としては痛手です。また、高級店や大手飲食チェーンの店舗では、値下げ品を置くはブランド価値を損なうリスクが大きいため、有効ではありません。

しかし、TABETEと契約しているお店であれば、店頭に値下げ品を置かずに済みます。当日売れ残りそうな食品を「レスキュー依頼」としてアプリに掲載し、購入した利用者さんが来店した際に渡すシステムであるため、店頭では定価品のみを売ることができます。お店側が抱えていた悩みを解消しつつ、食品ロスを減らし、売上を増やすことができるのです。

Point 2:食べ手(利用者)よし

 TABETEの利用者さんは、アプリを使って、生活動線上にあるお店の「レスキュー案件」を簡単に探すことができます。予約から受け取りまでの操作もシンプルです。定価よりも割引された「レスキュー価格」で商品を購入できるため、美味しい食べ物をお得に楽しめます。また、TABETEを通じて、新しいお店やメニューとの出会いもあり、自然と食の楽しみが広がります。もちろん、食べ手である利用者さんの登録料・月額利用料は0円です。

梅うさぎ
梅うさぎ

”ロスになってしまいそうな理由”も記載されているから、納得した上で「レスキュー依頼」に応えることができるんだ。

Point 3:社会よし

 食品ロスの削減は、そのまま環境負荷の低減や資源の有効活用に繋がります。しかし、食事は毎日いただくものだからこそ、持続可能な取り組みでなければ食品ロスは減らせません。そんな中、TABETEは、日常生活の延長線上で食品ロスを美味しく減らすことができます。また、”食べ物を捨てずに救うことができた”という体験は、私たちに心の充実感を与え、食べ物を大切にする意識・文化を育んでくれます。だからこそ、お店側も利用者側も、無理なく、気持ち良く、食品ロス削減へのレスキュー活動を続けることができるのです。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

マイページでは、レスキューした食品の総量やCO₂削減量も確認できて、自分がどれくらい貢献できたのかを実感できます。

4. 結び

 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

 世界には、今日食べるものもなく飢餓に苦しんでいる人たちがいます。日本では、今日もたくさんの食べ物が捨てられています。この矛盾を知ったとき、私たち消費者に何ができるでしょうか?それは、食べ物を無駄にしない工夫をすることです。難しいことはありません。冷蔵庫の中を見てからスーパーに行く、特売のセールスに惑わされず必要な食材だけを買う、売れ残りそうな食べ物をレスキューする、消費期限が近いものから調理する、そして、一食一食を丁寧に食べること。そうした行動の積み重ねが、食品ロスを減らし、飢餓で苦しんでいる人たちを救うことに繋がるのです。

食べ物には、“命”が宿っています。私たちの身体は、その“命”によって形作られています。「TABETE」は、これまで捨てるしかなかった食べ物に、価値を見い出し、再び“命”を吹き込んでくれる優しいサービスです。お店側も利用者も、誰もが無理なく、食べ物を救うことができる画期的な取り組みです。食の豊かさを世界に広げるために、次の世代に繋げるために、皆様が今日も優しい選択をしてくださることを願っています。

自分に優しく、人に優しく。自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

ABOUT ME
おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵
エンジニア / 副業ブロガー
ご覧くださり、ありがとうございます。 1988年九州生まれのエンジニアです。 現在は大阪在住。半導体業界で働かせて頂いております。バリバリの理系ではありますが、少しだけ経営学も嗜んでおります。 健康や心の平穏に重きを置いており、身の丈に合った慎ましい生活を心掛けております。また、和のテイストが大好きです。
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