廃棄りんごのアップサイクル。“もったいない”から生まれたレザーブランド「RERIGO(レリゴー)」

私たちにとって身近な果物「りんご」から「レザー」が作れるって、ご存知でしょうか?
少し不思議に感じるかもしれません。でも近年、世界では植物由来の原料を活用したヴィーガンレザーが注目を集めています。動物の皮を使わず、廃棄予定の植物資源を有効活用することで、環境負荷低減や食品ロス削減にもつながる画期的な取り組みです。
そこで今回は、長野県飯綱町の廃棄りんごから生まれたレザーブランド「RERIGO(レリゴー)」について、お話ししたいと思います。モノに新たな価値と命を吹き込む —私たち日本人が古くから大切にしてきた”もったいない”の新しいかたち。きっと皆様の胸にも響くものがあるはずです。

日本のりんご収穫量の1%を担う長野県飯綱町から生まれた日本初の植物性レザーブランドです。「食べられなくなったりんごを、再び日本の宝として輝かせたい」という想いが込められています。
りんごジュースやシードル作りの過程で生じる搾りかす(廃棄果皮)を有効活用して開発された「りんごレザレット(旧:りんごレザー)」。この素材を使ったレザー製品を通じて、飯綱町産のりんごを多くの人に知ってもらい、食べてもらいたいという願いも込められています。動物にも環境にも優しく、そして、地方創生にもつながる可能性を秘めています。

RERIGOは、動物にも自然環境にも優しく、そして、地方活性化にも繋がる可能性を秘めています。

2. 世界で増える“捨てられる食べ物”

国連環境計画の報告によると、食料廃棄量は、世界全体で年間10億5,000万トン—その大半は家庭から排出されており、1日あたり10億食以上が捨てられています。その一方、飢餓に苦しんでいた人口は、約7億8,300万人。食べ物が捨てるほどに溢れる社会と、乏しい社会 ……この二極化した状況が、今この瞬間も続いています。
私たちの暮らす日本でも、食べられるのに捨てられる食品ロスは、年間464万トン発生しています。食料供給を海外からの輸入に頼っていながら、未だにこれだけ多くを無駄にしているのです。
参考:環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和5年度)」
3. 捨てるモノから、より良いモノへ
3-1. アップサイクル —新しい命を吹き込む
究極のエコは、買わないこと、捨てないこと。けれど、私たちはモノを作り、使いながら暮らしています。大切なのは、まだ使える資源を無駄にしないこと、一度きりで終わらせないこと。そこで注目されているのが、「アップサイクル」です。
食品廃棄物のリサイクルで最も多いのは、飼料・肥料への転換です。これは捨てない代わりに付加価値を下げる「ダウンサイクル」と呼ばれています。それとは対照的に、廃棄物を再利用して、より付加価値の高い製品をつくり出すのが「アップサイクル」です。


アップサイクルの本質は、捨てるモノにも価値を見い出し、新しい命を吹き込むこと。
3-2. 植物から生まれる新しいレザー
アップサイクルの一例として注目されているのが、植物由来のヴィーガンレザーです。りんごやぶどう、パイナップル、サボテン、バナナ、お米、きのこなど、これまで廃棄されていた植物資源を活かした新素材の開発が世界各地で進んでいます。動物の皮を使わず、石油系原料も限りなく抑えられるため、動物福祉(アニマルウェルフェア)や環境負荷低減の観点からも関心が高まっています。

廃棄しても土に還る生分解性の高いものもあるんだ。
本革は、丁寧に使い続けていれば、子どもの世代まで使うことができます。そういう意味では、本革もサステナブルな素材といえます。

けれど、本革の元となる畜産の環境負荷は無視できません。広大な放牧地の確保をするための森林が焼き払われ、畜産動物の排気・糞尿処理で発生するメタンガスが、地球温暖化を加速させています。
さらに、動物の皮膚を「革」に変える加工工程でも、大量の水資源・鞣し剤・染料が使われます。レザー製品は、私たちの手に届くまでに、実に多くの環境負荷を生み出しているのです。

4.「RERIGO」の3つの魅力!
信州の豊かな自然が育んだ「りんご」が、洗練されたレザーアイテムに生まれ変わる。そんな驚きのアップサイクルを形にしたブランドが「RERIGO(レリゴー)」です。財布・バッグ・キーケースなど、日常使いのアイテムが揃っており、普段の暮らしの中に、無理なく取り入れることができます。

参考:しあわせバイ信州運動「取組紹介|株式会社SORENA」
Point1:捨てられるはずだったりんごを、余すことなく
RERIGOに使われる素材「りんごレザレット(旧:りんごレザー)」の原料は、文字通り「りんご」です。農家さんのもとで丹精込めて育てられながらも、台風被害や規格外で出荷できなくなった廃棄予定のりんごを有効活用しています。
その売上の一部は、地元の生産者支援や子ども食堂の運営に役立てられており、廃棄量削減だけでなく、地域循環や社会貢献にもつながっています。

Point2:本革のような質感と、暮らしに寄り添う実用性
植物性ヴィーガンレザーの中でも、「りんごレザレット」は、軽量で、水に強く、変色もしにくいという特長があります。本革のようなしっとりとした柔らかい手触りを持ちながら、軽く、水濡れによるシミもできにくい。お手入れも楽です。
さらには、「5年相当の耐久試験」をクリアしており、合成皮革の悩みであった加水分解(表面がベタベタ、ボロボロになる現象)などの経年劣化が起こりにくい。お気に入りのアイテムを長く、きれいに使い続けることができます。


素材開発には、国内最大手の自動車内装材メーカーさんが参加されており、世界レベルの技術が詰まっています。
Point3:バイオマスマーク60の安心感

RERIGOのりんごレザレットは、植物由来の原料(りんご)が61%以上も使われており、「バイオマスマーク60」認定を取得しています。この比率は、他の植物性ヴィーガンレザーの中でも非常に高い数値であり、環境負荷低減と品質の高さを両立している証明です。
5. 結び
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
“もったいない”とは、モノが持つ本来の価値を十分に活かせていないことを惜しむ言葉。かつての日本、江戸時代では、あらゆるモノが貴重な資源として再利用されていました。壊れたからといって捨てることなどせず、日用品のほとんどが修理・修繕を繰り返し、長く長く愛用されていました。最後に燃やして残った灰さえも、製紙・染色・肥料・洗剤として活かされていたのです。そんな時代から育まれてきた「もったいない」の精神 ―今では、“MOTTAINAI”という世界共通の言葉として広がっています。
捨てられるはずだったりんごが、レザー製品として生まれ変わる。RERIGOは、まさに“もったいない“の新しいかたちです。モノの形がなくなるまで大切に使い、形がなくなっても、そこに新しい価値を見い出す。そんな優しい循環が、私たちの暮らしのすぐそばで始まっています。きっと、私たちが日々手に取るモノの中にも、まだ活かされていない価値が眠っているはずです。
自分に優しく、人に優しく。
自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。
それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。


