お金の使い道は自分で決める。暮らしも心も豊かになる賢い倹約術「ふるさと納税」

皆様、こんにちは。
物価高や円安、なかなか上がらない賃金、子どもの教育費、老後資金の確保など、私たち生活者のお金の心配は絶えません。「手元に残るお金はわずか…こんな生活があと何年続くのだろうか」とため息をこぼしている方もいらっしゃるはず。でも、日本には、誰もが知っているのに、あまり活用されていない節約方法があります。それは、「ふるさと納税」―生活者に多くのメリットを、地域社会に活力をもたらしてくれるWin-Winの制度。お金の勉強をしている方にとっては今や常識ですが、調べる手間と失敗への不安から、その利用者はまだまだ少ないのが現状です。そこで、駆け込み利用が増える年末シーズンに、改めて「ふるさと納税」の基本をおさらいしつつ、この制度で支援できる社会貢献活動を紹介したいと思います。この記事を読んでくださった皆様が、賢く有意義なお金の使い道があることを知り、それらを通して、心豊かな暮らしを送れることを願っています。

地方自治体の財源確保と地域活性化を目的に、2008年から導入された日本特有の税制優遇制度です。いま住んでいる地域に関係なく、生まれ育った故郷やゆかりのある地域、これから応援したい自治体などに税金を納めることができます。
また、実際には「寄付」であるため、利用者は寄付額に応じた所得税・住民税の控除(減額)を受けることができます。加えて、自治体から返礼品を頂けることもあるため、たいへんお得です。2025年10月1日に一部改正(ポータブルサイトでのポイント還元禁止)が行われましたが、本質は何も変わっていません。

納税は国民の義務ですが、ふるさと納税なら、納めたお金の使い道を自らの意思で選ぶことができます。
ふるさと納税は、寄付した金額から「自己負担額2,000円を除いた分」が、所得税や住民税から控除されます。例えば、3万円を寄付した場合、28,000円(=納税額30,000円 – 自己負担額2,000円)が控除の対象となります。控除額の上限は、世帯年収や家族構成によって変わってきますが、年収350万円の独身世帯(扶養家族なし)の方でも上限額34,000円まで利用可能です。最近では、マイナンバーカード(マイナポータル連携)を利用して、寄附金受領証明書をデータで取得すれば、確定申告時にサクッと自動入力することができます。また、「ワンストップ特例制度」を使えば、確定申告不要で控除を受けることもできます。

参考:ふるさと納税サイト ふるなび「ワンストップ特例制度とは?」
2. もったいない利用状況
総務省の報告によれば、令和6年度のふるさと納税額は約1兆2,728億円、受入件数は約5,879万件を記録しました。金額ベースでは年々増加しているものの、その利用者数は約1,079万人(全国平均 18.5 %)とまだまだ少ないのが現状です。ふるさと納税は、誰もが簡単に利用でき、かつメリットも大きい制度です。物価高や円安の影響で生活苦を感じている方や、老後資金が心配な方、新NISAをキッカケに資産形成に興味を持った方が、この制度を利用していないのは、とてももったいないことです。

出典:総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果 (令和7年度実施)」
3.「ふるさと納税」で応援できる社会貢献 4選!
生活者として魅力的な返礼品も多いですが、ふるさと納税は、もともと「地域を応援したい」という想いから始まった制度です。子どもたちの医療支援や教育環境の整備、自然環境の保護、復興支援、高齢者の生活支援などなど。最近では、社会貢献活動に活用されるケースも増えています。ここでは、その中からいくつかを紹介したいと思います。
海ノ向こうコーヒー(京都府京都市)
株式会社 坂ノ途中さんが手がける「海ノ向こうコーヒー」は、現地の農家さんと一緒に“種からカップまでのコーヒーづくり”に取り組んでいるブランドです。農家さんの持続可能な生産と暮らし、森林保全に配慮しつつ、高品質にこだわったトータル・クオリティなコーヒーを届けています。1杯のコーヒーから、重厚な背景ストーリーを味わうことができるのが魅力です。


ピースワンコ・ジャパン(広島県神石高原町)
NPO法人ピースウィンズ・ジャパンさんが展開している「ピースワンコ・ジャパン」は、“命のバトンをつなぐ保護事業”です。飼い主のいない犬たちの保護、療養と育成、譲渡を通じて、日本の“犬の殺処分ゼロ”のを目指して活動しています。かわいそうな命をただ救うのではなく、医療ケアや人馴れトレーニングを行う、人と犬が絆を深められる場を整える等、ワンコたちが幸せに生きられるように様々なサポートを提供しているのが特徴です。


やさしい靴工房 Bell & Sofa (兵庫県神戸市)
「Bell & Sofa」さんは、靴の街・神戸市で50年以上、“足にやさしい靴づくり”を追求されている老舗工房です。熟練した職人さんの手によって何度も試作や調整を重ね、靴の見えない部分までも丁寧に作り込まれています。履き心地やデザイン性へのこだわりだけでなく、環境負荷の小さい製法や、動物に優しいヴィーガンレザーを取り入れている点も魅力です。


ポケマルふるさと納税(全国)
株式会社 雨風太陽さんが提供している産地直送プラットフォーム「ポケットマルシェ」から派生した“新しい形のふるさと納税”です。「ポケマルふるさと納税」では、生産者さんが返礼品を直接提供しているため、本来のマルシェのような「顔の見える取引」ができます。また、産地直送のため、鮮度が非常に良いのも嬉しいポイントです。小規模生産者さんでも参加でき、自治体側も事務負担を軽減できるため、利用者全員に利点があります。


4. 結び
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
日本では「お金=卑しいもの」というイメージが根強く、これまで、お金について学ぶこと自体が敬遠されてきました。学校で金融教育が義務化されたのは、つい最近のこと…「お金のことは難しい」「投資も節税も、自分には縁がない」「貯金してるから大丈夫」と思い込んでいる人が多いのも、仕方のないのかもしれません。知らないままでいることは、とても楽です。でも、お金の心配が絶えない現代では、それが一番大きなリスクになります。
「ふるさと納税」は、自分のお金の使い道を、自分の意志で決める仕組み。ほんの少し労力で、誰もが享受することができる恩恵です。お金の不安を消してくれる魔法のようなものではありませんが、お金について学ぶキッカケをなってくれます。また、その過程で、「どういうかたちで社会と繋がりたいか」を考える機会をも与えてくれます。これからの長い人生、お金で苦労しないために、心豊かな暮らしを送っていくために、今ここで、ちょっと立ち止まってみてください。皆様自身と、ゆかりある地域の暮らしを支える一助として、ふるさと納税を活用してくださることを願っています。
自分に優しく、人に優しく。自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

