言葉にできない“助けて”が、支援につながる。オンラインサービス「お悩みハンドブック」

お金のこと、仕事のこと、病気のこと、家族のこと……
皆様は、困りごとを抱えたとき、まず何をしますか?
「誰かに相談したい」と思いながらも、「うまく言葉にできない」「相談するほど大げさじゃないかも」「どこへ行けばいいかわからない」と、そのまま一人で抱え込んでいないでしょうか。
社会福祉が充実している日本には、困っている人を助けるための支援制度がたくさんあります。けれど、その制度を利用できている方は、ほんの一握り。多くの方は、複雑な申請手続きや難解な行政用語を前に立ちすくみ、実際の支援までたどり着けずにいます。「受けられる支援」を知らない方もいらっしゃいます。「支援はある、でも届かない」というのが、日本の行政支援の課題です。
そこで今回は、スマホひとつで、助けを必要とする人たちに適切な支援を見つけて、つなげるオンラインサービス「お悩みハンドブック」について、お話ししたいと思います。言葉にできない「助けて」の声が社会に届く、支援につながる。この記事を読み終えた後、「このサービス、もっと早く知りたかった」と感じていただけるはずです。
1.「お悩みハンドブック」って、どんなサービス?

行政サービスのデジタル変革を目指すスタートアップGrafferさんが提供しているオンライン支援サービスです。
困りごとを抱える人が、ウェブ上の質問に答えていくだけで、200種類以上ある公的支援制度の中から「最適な窓口」へと繋げてくれます。
お金や仕事、住まい、病気、介護、DVやいじめなどの言葉にしづらい悩みまで、幅広い困りごとに対応。また、難しい行政用語を日常の言葉に置き換えた「分かりやすさ」と、匿名かつ完全無料で利用できる点も魅力です。

このサービスは、自らも困難を経験された開発者さんの「あのとき知っていれば」という想いから生まれました。

2. なぜ「助けて」が届かないのか

2-1. 誰もが陥る「孤独と孤立」
現代社会では、核家族化や地域・職場における「つながりの希薄化」により、「孤独と孤立」の問題が静かに広がっています。令和7年度の内閣府調査でも、16歳以上の日本人の約4割が、何らかの孤独感を抱えながら生活していることが示されました。

誰かに頼りたいのに頼れない…
相談したいのにどこへ行けばいいか分からない…
孤独や孤立は、単に「一人でいること」への不安感だけではなく、困りごとが起きたときに周囲に助けを求められず、一人で抱え込んでしまうという危うさがあります。最初は小さな悩みであっても、そのまま放置していると、次第に膨れあがり、虐待やネグレクト、メンタルダウン、自殺といった取り返しのつかない事態へと深刻化してしまうこともあります。
参考:内閣府「人々のつながりに関する基礎調査(令和7年)調査報告書」
2-2. 支援はある、でも届かない
日本には、生活困窮や病気、家庭内暴力など、個人の力では対処が難しい困難に直面したときに利用できる支援制度が数多く存在しています。けれど、支援はあっても、それを必要としている人に「届きにくい」というのが現実です。

行政サービスの多くは、利用者が自ら申し出なければ支援が始まらない「申請主義」を取っています。加えて、担当する役所や部署もバラバラで、相談窓口も縦割りです。利用者は、困りごとを抱えている状況の中で、自分に合った制度を探し出し、複雑な申請手続きをしなくてはなりません。身近に頼れる人がいない「孤立」状態にあれば、なおさら大変です。このような理由から、本当に助けを必要としている人が、支援にたどり着けず、困難をひとりで抱え続けてしまうケースが後を絶ちません。
「どこに相談すればいいのか分からなかった」「自分が支援を受けられるとは思っていなかった」―そのような声も多く聞かれます。

難解な行政用語も「支援の入り口」で立ち止まってしまう一因なんだ。
2-3.「助けて」と言えない心のハードル

「家族の問題を他人に話すのは恥ずかしい」「知られたくない」という心理的な抵抗も、支援までたどり着けない大きな壁となります。
縦割りの行政窓口では、担当者が変わるたびに、自身の抱えた複雑な事情を一から説明しなければなりません。特に、精神的に追い詰められているとき、つらい話を何度も口にするのは大きな心理的苦痛を伴います。途中で心が折れ、支援を諦めてしまう方もいらっしゃいます。

孤立している人ほど、「助けて」と言えないものなんだ。
3.「お悩みハンドブック」の3つの魅力!
支援を必要とする人に、支援を届ける ―お悩みハンドブックは、行政支援の入り口で立ち止まってしまう人たちの背中をそっと押してくれる、画期的なオンラインサービスです。


2022年の全国版リリースから、累計66万人以上が利用している注目の支援情報プラットフォームです。
Point1:”日常の言葉”で質問 ―チェックだけで支援へ進める
多くの行政サイトでは、DVや生活困窮といった難しい行政用語が使われますが、当事者は自分がその定義に当てはまるか分からず、迷ってしまうことが少なくありません。
お悩みハンドブックは、当事者の立場で、「言葉にならなくてもいい」という前提で設計されています。「相手の言う通りにしないと怒られる」「水道光熱費が払えない」「仕事を探している」といった、日々感じている「具体的な困りごと」にチェックを入れるだけで先に進むことができます。このシンプルさが、最初の一歩を踏み出すハードルをぐっと下げてくれます。


名前や住所などの個人情報は一切不要です。匿名かつ完全無料で利用できるため、誰にも知られたくない悩みを持つ方でも安心してお使いいただけます。
Point2:200以上の支援から“あなた専用”を提案
お金や仕事、住まい、病気、障害、子育て、介護、家庭内暴力、いじめ、学び直しなど。お悩みハンドブックには、全国共通で利用できる200種類以上の支援制度が、一つのプラットフォームの中に集約されています。
質問にチェックを入れていくと、、数ある選択肢の中から「今の自分に役立つ制度」だけを自動でピックアップしてくれます。そして、難しい行政用語を使わない「分かりやすい言葉」で解説してくれます。

また、全国版だけでなく、京都市や北九州市などの「自治体版」もあります。自治体独自の支援制度や、より地域に密着した相談窓口にも結びついており、利用者が「どこへ相談すればいいのか」という情報の迷子になるのを防いでくれます。

自治体版の導入はまだまだ限定的ですが、今後の全国的な拡大が期待されています。
Point3:相談までつなげるサポート機能
お悩みハンドブックは、支援制度を見つけるだけでなく、「実際の相談につなげる」ところまで手を差し伸べてくれます。
ハンドブックでの回答結果に基づいて、言葉にできない事情を形にする「相談準備資料」機能があり、窓口で説明する心理的ハードルを下げ、円滑な対話の架け橋となります。資料の印刷やリンク共有も可能で、状況や希望、検討している支援の内容を文章で正確に伝えることができます。何より、何度も同じ説明を繰り返す負担を劇的に減らせます。


相談を受ける側にとっても、相談者のニーズを事前に把握できるから、双方にとって大きなメリットがあるんだ。
4. 結び
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
支援制度は、存在しているだけでは誰かを救えません。必要としている人に届き、実際に利用されてはじめて意味を持ちます。だから、困っていたら、「助けて」と言っていいのです。
助けを求めることは、弱さではありません。自分と大切な人を守る、とても勇気のある行動なのです。だから、もしも今、皆様自身が何か困りごとを抱えているのなら、ぜひ一度、「お悩みハンドブック」を開いてみてください。うまく言葉にできなくてもいい。スマホに表示された質問にチェックをつけていくだけでいい。今の状況にぴったりの支援がきっと見つかるはずです。そして、もしも皆様の周りに、困っていそうな方がいたら、さりげなくこのサービスを勧めてみてください。
自分に優しく、人に優しく。
自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。
それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

