人と社会

あえて寄り添わない優しさ。社会の「はざま」にいる子どもたちを支える「第3の家族」

otobokezizou

「家に帰りたくない。でも、他に行く当てがない…」

そんな思いを抱えながら、日々を過ごしている子どもたちがいます。
もしかしたら、皆様も子どもの頃に、そう感じた時期があったかもしれません。

家庭の問題は外から見えにくく、子どもの抱える悩みが周囲に伝わりにくいことがあります。特に、親からの過干渉や過度な期待、無理解、不仲といった「グレーな家庭環境」にいる子どもたち。普通に学校に通ったり、普通に生活していても、親との関係に悩み、「家に居場所がない」と感じている子もいます。

今回は、そんな見過ごされやすい社会の「はざま」で悩みを抱える子ども・若者たちを支えている認定NPO法人「第3の家族」について、お話したいと思います。あえて寄り添わず、ただそっと手を差し伸べる。この記事を通して、そんな支援のカタチもあるのだと知って頂けたら嬉しいです。

家庭や学校、社会の中で生きづらさを抱える子ども・若者たちに、“寄り添わない支援”を届けている認定NPO法人です。

悩みを吐き出せる匿名掲示板「gedokun」や、今のしんどい状況を凌いでいくための情報サイト「nigeruno」など。
本人の家族でも、地域の大人でもない、顔の見えない第3者として、心の拠り所となる場を提供しています。
子どもたちが孤立せず、自分で答えや居場所を見つけられるように、「支援らしくないカタチ」でアプローチしているのが特長です。

参考:認定NPO法人 第3の家族「ホームページ」

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞「最優秀賞」やForbes JAPAN「今注目のNPO 50」への選出など。その新しい居場所づくりが、社会からも高く評価されています。

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2. 社会の「はざま」にいる子どもたち

日本は少子化によって子どもの数が減っている一方、小中高校生の自殺者数は近年増加傾向にあります。厚生労働省によると、2025年には538人 ―統計開始以降で過去最多となりました。
自殺の背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。学校でのトラブル、健康問題、そして、子どもにとって安心できるはずの家庭もまた、その一因になり得るのです。

参考:厚生労働省「令和7年中における自殺の状況」

2-1. 子どもたちの「居場所」

多くの子どもたちは、「家庭=安心できる場所」だと感じています。けれど、そこに居場所を見いだせない子どもたちもいます。こども家庭庁の2025年度調査によると、10〜14歳の6.4%が家庭を「居場所だと思わない」と回答しています。

家族に悩みを打ち明けられない… 
学校でも安心できない…
困ったときに相談できる大人もいない…

SNSで誰とでも繋がれるようになった現代。それでも、子どもから見える世界は、家と学校が多くを占めています。だからこそ、近くに頼れる大人がいない子どもたちは、誰に助けを求めたらいいのか分からず、次第に孤独を深めてしまうこともあるのです。

参考:こども家庭庁「令和7年版 こども白書」

参考:こども家庭庁「こども・若者総合調査(令和7年度)概要」

2-2. グレーな家庭環境

思春期を迎える子どもたちは、身体と心の成長に伴い、さまざまなことで人と比較するようになります。家庭環境もその1つです。

「自分の家って、周りとちょっと違うんだ」
そんな違和感を覚えたり、親との関係に少なからず悩むようになります。
もちろん、それ自体はごく自然なことであり、何もおかしくありません。

けれど、グレーな家庭環境にいる子どもたちは、その違和感が心のアラートなのかどうか、なかなか気づけません。

妹には優しいけど、自分にだけ厳しい。
塾には通わせてくれるけど、親との会話はほとんどない。
期待に応えようと頑張っているけど、もう限界。

問題なく学校に通い、普通の生活を送っている。親への愛情や感謝もある。でもなんとなく、しんどい…こうした子たちは、自分でも気持ちを整理できず、「助けて」を言葉にできないこともあります。

丸めのおさる
丸めのおさる

グレーな家庭環境では問題が見えにくい。子ども自身も相談するのをためらってしまう。だから、外からの介入が難しく、既存の支援制度にもつながりにくいんだ。

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3.「第3の家族」の取り組み

誰にも言えない家庭の悩みや将来への不安、言葉にならないようなモヤモヤ、ちょっとした心の不調など。さまざまな事情を抱えた子ども・若者たちに、無理に寄り添わず、そっと手を差し伸べる支援を提供しています。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

2026年時点で、サービス利用者数は延べ12万人、月間のアクティブユーザー数は約7,000人。子どもたちが安心して気持ちを吐き出せる場所の一つとなっています。

参考:認定NPO法人 第3の家族「データ」

参考:こども支援ナビ「第3の家族の支援のあり方」

➀ 匿名で悩みを共有できる場所

「gedokun」は、家庭や学校での悩みを匿名で吐き出せるWeb掲示板です。
悩みを共有するための場なのでコメントは返せませんが、「わかる」「エール」といったリアクションボタンを通じて、同じような境遇で悩んでいる仲間と緩やかにつながることができます。

利用者さんの抱える問題を根本的に解決するものではありません。けれど、利用者さんを1人にさせない、「心の受け皿」としての機能を果たしています。実際に利用された方からは、「友達には話せないけど、ここなら悩みを吐き出せる」「家のことで悩んでるの、私だけじゃないんだ」といった声もあります。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

利用登録は不要で、誰でも気軽に利用できます。閲覧するだけでも、心が少し軽くなるかもしれません。

② 次の一歩を支える情報提供

家か学校か。狭い世界で考えがちな子どもたちに、より多くの「手札」を知ってもらうための情報サイト「nigeruno」。そこには、今のしんどい状況を凌いでいくためのさまざまな公的支援や民間サービス、実際に行動した人のリアルな経験談などがまとめられています。

「こういう方法もあるんだ」
「これなら自分にもできるかもしれない」
「こっちの方が自分に合う気がする」

利用者さんが自分のペースで、自分なりの一歩を考えられる。それが「nigeruno」の魅力です。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

利用者さんの多くは、中学生や高校生。だから、サイト広告のような「うざい」と感じるようなことをしないよう細やかな配慮が為されています。

③ ハレの日につくる、ちょっと変わった居場所

第3の家族さんの開催する「裏○○の日」。
深刻なテーマではなく、少し変わったフックで集まり、緩やかにつながれるイベントです。

例えば、「裏母の日」。世の中がお母さんへの感謝で溢れている日に、親子関係に複雑な思いを抱える子ども・若者たちが集まり、同じ気持ちを共有する場です。他にも「裏七夕」など、季節の行事を通じた取り組みが行われています。

誰もが同じように喜べるとは限らないハレの日。世間がお祝いムードの中、ひそかに気まずさを感じる人たちにも、誰かと気持ちを分かち合える場所をつくる。それもまた、第3の家族さんならではの支援です。

4. 結び

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

子どもは、生まれてくる場所を選ぶことはできません。家庭環境に悩みを抱えていても、親への愛情や感謝はある。親を悪者みたいにしたくない。でも、誰かに「助けて」と言いたい。そんな複雑な思いを抱えながら、日々を送っている子どもたちもいます。
それを知ったとき、私たち大人は何ができるでしょうか。家庭問題は見えづらく、簡単に解決できるものでもありません。それでも、子どもたちの声に耳を傾けたり、気持ちを受け止めたり、励ましたり、あえて寄り添わず、ただ選択肢を示したり。できることはいろいろあります。家じゃなくても、「自分の居場所」はきっとある。それに気づくだけでも、子どもたちの心はふっと軽くなるはずです。

自分に優しく、人に優しく。
自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。
それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

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おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵
エンジニア / 副業ブロガー
ご覧くださり、ありがとうございます。 1988年九州生まれのエンジニアです。 現在は大阪在住。半導体業界で働かせて頂いております。バリバリの理系ですが、少しだけ経営学も嗜んでおります。 健康や心の平穏に重きを置いており、身の丈に合った慎ましいミニマル生活を心掛けております。また、和のテイストが大好きです。
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