感動と感謝

「ありがとう」は魔法の言葉。そのたった一言で、私たちの世界は少し優しくなります。

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ありがとう

 皆様、こんにちは。

 家族や友人、お世話になっている人たちに「ありがとう」の言葉を伝えていますか?経済の発展によって、私たちの社会生活はとても便利なものになりました。しかし、社会がどんなに豊かになっても、私たちの生活は多くの人たちとの支え合いの上に成り立っています。それを当たり前のように思ってはなりません。今回は、忙しい日々の中で忘れがちな「感謝すること」の大切さについて、お話ししたと思います。この記事を読んでくださった皆様が、少しでも優しい気持ちになってくれたら嬉しいです。

「ありがとう」は、魔法の言葉

 日本では、誰かに助けてもらったとき、「すみません」や「ごめんなさい」といった謝罪の言葉が口を衝きます。その文化を良しとする見方もあります。しかし、助けてくれた相手がそれを受け取っても、きっと嬉しくはないでしょう。なぜなら、相手が本当に望んでいるのは、心からの感謝だからです。笑顔で「ありがとう」と言われて、気分を悪くする人はいません。そこには「あなたがいてくれて良かった」という、感謝とリスペクトの気持ちが込められているからです。特別な技術は必要ありません。年齢や人種、性別、国籍、宗教も関係ありません。ただただ真心を込めて「ありがとう」と伝えるだけ。それだけで、伝えた相手はもちろん、伝えたあなた自身をも優しい気持ちにしてくれます。謝罪よりも、感謝を。このことを心に留めておいて頂けると嬉しいです。

2.「ほめる」こと。それは、相手のことを認めること。

ほめること。それは、相手のことを認めること。

 ここでは、もう一歩踏み込んで、「ほめる」ことの大切さについてもお話ししたいと思います。「ありがとう」は相手がしてくれたことに対して伝える言葉であり、どちらかと言えば受け身的です。一方、「ほめる」というのは、相手の優れたところを見つけて伝える行為であり、より能動的な感謝と言えます。相手に興味・関心を持っていなければ、その人の優れたところを見つけることはできません。相手のことを日頃からよく見ていなければ、その人を「ほめる」ことはできません。「ほめる」には、それなりに時間と労力が必要になります。でも、だからこそ、人からほめられたとき、私たちはあんなにも満たされた気持ちになるのでしょう。

「Eさんの笑顔と明るい挨拶のお陰で、いつも気持ち良く仕事が始められるよ。」

「この資料、すごく分かりやすいよ。やっぱり、Mさんに頼んで良かった。」

「難しい案件でしたが、Rさんのサポートがあったから上手くまとまりました。」

「いつも物腰柔らかく対応してくれるGさんには、いつも感謝しています。」

「Uさんの指摘によって、良い気づきが得られました」

 ヒトはもともとに「誰かに認めてもらいたい」という欲求を持っていますSNSが普及するずっと前から、私たちは本能的に「人とのつながり」を求めています。「ほめる」ことは、相手の存在を認めること。時には、本人が気づいていない長所や資質を見い出すキッカケになるかもしれません。他人への関心が希薄になりつつある現代においては、とりわけ大きな意味を持ちます。このことも心に留めておいてください。

おとぼけ地蔵
おとぼけ地蔵

「ほめる」ときは、できる限り具体的に。自分のために紡いでくれた言葉なのだと思ってもらえるよう努めましょう。

3.「ほめ合う仕組み」が、思いやりの心を育む

 多くの企業では、トップダウン的な評価制度が主流です。たった1人の上司から見える仕事ぶりで社員の評価が決まります。当然、その視野には限界があり、目立った成果や行動しか注目されません。しかし、現場の最前線では、日々、オペレーションを回すための細かい調整や地味だけど大事な業務など、スポットライトが当たらない多くの仕事が行われています。残念ながら、これらの仕事が評価されることは滅多にありません。これでは、「自分のことを見てくれていない」と感じる社員がいても不思議ではないでしょう。加えて、最近はテレワークの普及もあり、社内のコミュニケーション不足、社員のエンゲージメント低下が深刻化しています。

 そんな中、私の会社には、仲間同士を「ほめ合う仕組み」があります。面白い仕組みだなと思ったので、少しだけご紹介させてください。

ほめ合う仕組み
  • 所属や階級の垣根を越えて、社内の仲間になら誰にでも「感謝のメッセージ」と「星★」を贈ることができる。
  • 贈られたメッセージは、社内ネットワーク上で公開されるため、誰のどのような頑張りが評価されたのかが一目でわかる。
  • 他の仲間からもらった「星★」は、ポイントとして利用でき、豊富なラインナップの中から商品やサービス、体験と交換することができる。

 私たちの頑張りや苦労を一番理解しているのは、他でもなく、同じ現場で働いている仲間たちです。彼ら彼女たちからの感謝と賞賛には、上司からの評価とは違った「特別な喜び」があります。私もまた、節目節目にお世話になった仲間たちに「感謝のメッセージ」を贈っています。面と向かってほめるのが気恥ずかしい人でも、この「ほめ合う仕組み」を使えば、感謝の気持ちを「形」にして伝えることができます。お陰で、仕事が忙しい時期でも、社内では、仲間に感謝し合うこと、ほめ合うことが、当たり前のように行われています。

おとぼけ地蔵
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感謝の気持ちが「形」として残っていくのは、やはり嬉しいものです。

 ちなみに。調べてみると、ANAさんでも近しい仕組みがありましたので、あわせて紹介させて頂きます。

全日本空輸株式会社ANA(Good jobカード)

Good jobカード

 ANAさんには、社員同士がお互いに関心を持ち、職場のコミュニケーションの活性化や一体感を育むことを目的とした「Good jobカード」の仕組みがあります。お互いの仕事の良いところを見つけたら、それをカードに記入して本人に手渡すというシンプルなもの。オンラインで遠隔地の仲間にメッセージを送ることもでき、コロナ禍では90万件以上のメッセージが送られました。また、渡した人、受け取った人にはポイントが付与され、貯まったポイントに合わせてバッチが配布される他、1通につき1円が社会貢献活動に寄付されます(ここは私の会社にはないGood ポイントです)。仲間を尊重しあい、互いの仕事に自信と誇りを持つ風土づくりに繋がっているそうです。

参考:ANAグループ行動指針「ANA’s Way」の推進

4. 結び

 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

 私たちの生活は多くの人たちとの支え合いの上に成り立っています。謙虚な心であれば、そのありがたさに素直に感謝できるでしょう。しかし、傲慢な心であれば、「当たり前だ」と軽んじてしまうでしょう。忙しさには、文字通り「心を亡ぼす(滅ぼす)」側面があります。忙しさに追われているとき、私たちは少し傲慢になっているのかもしれません。ですが、如何なるときも、大切な人たちへの感謝を、他者への思いやりを疎かにしてはなりません。特別な技術は必要ありません。「ありがとう」のたった一言で、私たちはその気持ちを伝えることができます。そのたった一言で、周りにいる大切な人たちを優しい気持ちにすることができます。そして、他者を思いやる優しさは、巡りめぐって、いずれは皆様のもとに返ってきます。まずは皆様の方から、隣にいる大切な人に「ありがとう」と伝えてみてください。たったそれだけで、私たちの生きる世界は、少しだけ優しくなるはずです。

自分に優しく、人に優しく。自分貢献から他者貢献、そして、社会貢献へ。それが回りまわって、皆様自身や家族にとって優しい社会になるのだと、私は信じています。

Thank you
ABOUT ME
おとぼけ地蔵
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エンジニア / 副業ブロガー
ご覧くださり、ありがとうございます。 1988年九州生まれのエンジニアです。 現在は大阪在住。半導体業界で働かせて頂いております。バリバリの理系ではありますが、少しだけ経営学も嗜んでおります。 和のテイストが大好きです。また、健康や心の平穏に重きを置いており、身の丈に合った慎ましい生活を心掛けております。
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